「アベノミクスで日経平均2万円台へ」「賃金上昇は過去最高の水準」――。好況感が謳われるなか、週刊SPA!が年収500万円サラリーマン1011人に実施したアンケート結果によると、「昨年よりも生活が苦しい」と45%が回答。円安や賃上げの恩恵を受けているのは大企業の社員のみであり、一般的なサラリーマンはむしろ「生活苦」を感じ始めていたのだ。
では、巷の生活苦サラリーマンはどんなことに苦しんでいるのか。サラリーマンの衣食住のうち、ここでは「服装」について見ていこう。
◆ユニクロですら高すぎる!? 衣服にお金はかけられない
被服費は家計が苦しくなった際、最も削りやすい部分の一つだ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏も「浮いたお金を食費やほかに回したり、子供の洋服代に充てる人が多い」と言うとおり、アンケート(下記)では43%の人が「服自体を買わなくなった」と回答している。
通信機器メーカーに勤める青山陽一さん(仮名・36歳)は実家の借金の肩代わりを強いられ、手取り32万円の給料から月々15万円を返済に充てている。そんな状況のため、3年ほど前から洋服は買っていない。部屋にあるジーンズはどれも股擦れで穴が開き、ボロボロに破けたTシャツがクローゼットに何着もかかっていた。
「部屋着ならこれで十分。真っ裸で過ごすときも多いですし、近所のコンビニで買い物するときは仕事用の作業着を着ればいい。ただ、後輩と飲みに行ったとき『青山さんっていつも同じ服ですね』と言われ、恥ずかしいくらいかな」
衣料品は今のところ、食料品に比べてインフレの影響が少なく、値上げの動きも鈍い。
「その理由としては、化学繊維の原材料である原油価格、綿花の相場がともに下がっていることが影響しています」(柏木氏)
とはいえ、生活苦サラリーマン愛用のユニクロはすでに一部商品の5%程度の値上げを実施。今年の秋冬物も約2割の商品を対象に10%の値上げを行うと発表している。「ユニクロは以前に比べて割高。今は、より価格帯が安いGUやFOREVER21で買います」と話すのは、建設会社に勤務する木村悟さん(仮名・41歳)だ。
「スーツも当然、より安くがテーマですね。一昨年はイオンで上下1万円のスーツを購入しましたが、先日新調したのは西友の8800円スーツです。ただ、恥ずかしいので買ったお店と金額は人には言えませんけど」
<アンケート>衣服に関して「生活苦」を感じるときは?(複数回答)
●ユニクロなどで買う回数が増えた 44%
●服自体を買わなくなった 43%
●ブランド品を購入しなくなった 41%
●クリーニングに出さない 28%
●格安スーツしか着ない 27%
●腕時計をつけていない 16%
●寒い日でも薄着だ 4%
※「ユニクロで購入」(44%)と「服を買わない」(43%)など節約対象の被服費。「クリーニングに出さない」(28%)の中には「ヨレヨレのシャツでも気にならない」という声も
4/21発売の週刊SPA!に掲載されている特集『急増する[生活苦サラリーマン]の実態』では、年収500万円サラリーマンの「服装」以外にも「住居」「食事」「趣味」「下半身」における生活苦事情を徹底リポート。もはや真面目につましく生きてるだけでは貧しくなる時代に突入したとしか思えないこの哀しき現状から、目を背けてはいけない! <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
年収500万円サラリーマン「昨年より生活が苦しい」。45%が回答
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