野村証券は16日、グループの野村アセットマネジメントが先月25日から募集していた投資信託「日本企業価値向上ファンド」の販売を停止した。日経平均株価が一時2万円をつけるなど相場の先高観が出てきた中で個人マネーが殺到。資産額が想定以上に膨らみ運用に支障が出かねないため、わずか3週間で異例の打ち切りとなった。
「価値向上ファンド」は稼ぐ力を示す自己資本利益率(ROE)改善などが期待できる企業の株に投資する。株高に加えて「企業価値」という話題のテーマが個人投資家を引き付けた。
一般に投信は1カ月間で1000億円を集めれば大ヒットといわれる。同ファンドは今月3日の当初設定額が1057億円だった。当初設定額が1000億円を上回ったファンドは2年ぶりで、16日時点の資産額は2176億円に上る。
運用資産が急拡大して保有株を増やすと、自らの売買で株価に影響を与えてしまい、機動的な銘柄の入れ替えなどがしにくくなる。「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」(野村アセット)狙いで、今後の販売は未定としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF16H2N_W5A410C1EE8000/
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